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熱中症と新型コロナウイルス感染症

[2020.08.16]

7月の集中豪雨が梅雨明けとともに収まり、8月からか一転して猛暑の夏を迎えるにあたり皆様の体調管理も厳しさが増しているのではないでしょうか。今年の夏は新型コロナウイルスとの共存を余儀なくされた初めての夏であり、とくに両者の症状が類似する点も多く判断に悩まれる方も多く見かけます。今回は7月に日本救急医学会などから発表された「新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き」を抜粋してご紹介したいと思います。

2020年夏の特徴(自粛とマスク)

本年は、春季に多くの方が外出自粛をしていたことから、汗をかいていない、運動をしていない傾向にあり、暑熱馴化(身体の機能が暑さに慣れて、汗をかいて体温を下げる等の対処ができること)ができていません。なおマスクを着用する際の運動は、長期間(1 時間以上)の運動を避けることが望ましいとされます。
また常日頃マスクをつけて過ごしていることで、体内に熱がこもりやすくなってしまいます。常にマスクをしたままの人であれば、口渇の鈍化(マスク内の湿度があがっていることで喉の渇きを感じづらくなる)傾向にある可能性もあり、もともと喉の渇きに気づきづらい高齢者がますます気づきづらくなり、知らないうちに脱水が進み、熱中症となってしまうリスクも高まるかもしれません。マスクを外してはいけないという思いがあり、気づかないうちに水分補給を避けてしまうことも脱水の一因になりえるでしょう。

熱中症と新型コロナウイルス感染症の症状

ともに発熱性疾患である両者は発熱以外にも共通する症状も多く認めます。このため症状のみでそれぞれを区別することは困難とされています。あえて挙げるならコロナウイルスに特徴的な症状といえば「味覚・臭覚障害」と言われていますが、これについても嗅覚障害は52.7%、味覚障害は43.9%の合併にとどまるといわれています。

【熱中症と新型コロナウイルス感染症の症状の違い】

また診断については症状以上に発症経過が重要であり、熱暑環境に暴露されたかどうかが最大のポイントになります。

熱中症予防のポイント

類似する症状の多い両者ですが、熱中症になる環境・生活を避けておけば、これらの症状の原因が熱中症ではなく、新型コロナウィルス感染症であるのではという可能性を早期に疑えることにつながります。コロナ禍での熱中症予防のポイント示します。
① 3食きちんと食べる
② 喉が渇いたなと感じ始めたら水分摂取(多量のカフェイン摂取は控えましょう)
③ 水分補給が十分できない時のために経口補水液を家族1人2本×3 日分を常備
④ クーラーをすぐ点けられるよう調整しておき、暑いと感じる環境にいない。
⑤ 換気をこまめにし、湿度も高くならないように注意しましょう。
※温度・湿度は、環境省が毎日発表している暑さ指数(WBGT )もチェックしましょう。
⑥  快適な環境でよく睡眠をとる(疲労も熱中症リスクになります)
⑦ 人混みを避けた散歩や室内での軽い運動を行う

今年の特徴としては室温調整と換気を両立させる必要があります。具体的には居室の温度および相対湿度を 28℃以下および 70%以下に維持できる範囲内で、 2方向の窓を常時、できるだけ開けて、連続的に室内に空気を通すことが推奨されています。

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