脂質異常症・高脂血症
血清脂質値が異常でも、通常は症状は現れません。症状が現れないのにもかかわらず、知らず知らずのうちに、全身の血管が傷ついていきます。その影響は主に動脈硬化となって現れます。動脈硬化が進むと、心臓や脳などの血液の流れが悪くなります。そして、あるとき突然、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発作が起き、QOL(生活の質)が低下したり、ときには命も左右されかねません。
肥満傾向が認められる場合には、まず標準体重を目標に減量をする必要があります。標準体重は身長(m)×身長(m)×22で計算できます。減量は、急激にではなく、1か月間で現在の体重の5%程度の減量から始めるのが体重維持のポイントです。1日の摂取エネルギーは、次のように計算して求めます。
1日の適正エネルギー量(kcal)=標準体重(kg)×25~30(kcal/kg)
くわえて以下の食習慣のポイントを心がけましょう。
- コレステロール摂取量は1日300mg以下にしましょう。
- 動物性の脂肪を減らし、魚や植物性の脂を多くしましょう。
- アルコールは1日25g以下に。具体的には...ビールだと中瓶1本、日本酒の場合180ml、焼酎なら100ml程度、ワインは200ml程度。
- 食物繊維を多くとりましょう(食物繊維はコレステロールの吸収を抑えます)。
- 魚、大豆製品を多くとりましょう。
- 清涼飲料水や菓子類などの過剰摂取は控えましょう。
- マーガリン、ショートニング(食用加工油脂の一種)、菓子類に含まれる悪い脂(トランス型不飽和脂肪酸)の過剰摂取は控えましょう。