コロナPCR 自費検査と公費検査
[2020.12.20]
第3波のピークが見えない中で全国的な医療供給体制のひっ迫が現実となりつつある状況です。福岡も首都圏・関西圏から遅れる形ですが本格的な感染の波が到達しつつあります。幸い懸念されたインフルエンザとの同時流行は認められないものの、福岡で限って言えば「感染性腸炎(嘔吐下痢症)」が流行しており日々感染予防が必要な状況には変わりません。
さてまもなく年末年始をむかえて帰省を考えている方もいるなかで、無症状でウイルスを伝播する可能性が示唆されています。このため最近になりPCR検査が地域の医療機関や郵送で受けられる民間の検査機関が数多く出てきている状況ですが、いざ利用しようとしたときどれを選択すべきか迷われるのではないでしょうか。
自費検査(民間検査)と公費検査(行政検査)の対象者
- 公費検査(行政検査):PCR検査にかかわる費用は無料となります(初診料や処方箋料などについては保険診療となります)
- 発熱や咳など感染症状がある方
- 濃厚接触者(保健所の調査での認定された方)
- COCOAで接触の通知があり接触から14日以内の方
当院では集合契約によるPCR検査を行っている医療機関ですので上記の方は対応可能となります。
- 自費検査(民間検査):各施設・機関で費用や陽性時の対応などは様々です
- 無症状の方
感染者との接触はあったものの濃厚接触者として判定されなかった方や感染流行地から地方に帰省する方、海外渡航時のPCR陰性証明が必要な方などが該当します。
自費検査(民間検査)のチェックポイント
①発熱や咳などの症状がある場合は、行政検査の対象となりうるので、まずは身近な医療機関に相談してください。
②検査機関で提供される検査の内容、費用、検査結果の通知に要する日数などの基本的な事項を事前に確認しましょう。特に、自費検査の場合、その費用は原則、自己負担となることに注意が必要です。
③検査機関によっては、検査を行い、その結果を通知するのみで、医師の診断を伴わない機関もあります。たとえ検査結果が陰性であっても、医師により感染していないと診断されない限りは、感染していないとはいえません。
④医師による診断を伴わない検査で結果が陽性の場合、検査機関に提携医療機関がある場合には、検査を受ける者の同意に基づき、検査機関から医療機関に検査結果(陽性)が報告されます。提携医療機関がない場合には、自分で受診相談センターまたは身近な医療機関に相談しましょう。身近な医療機関を受診する場合、事前に電話で連絡をしてください。相談の結果、医療機関で再度検査が必要になる場合もあります。
⑤医師による診断を伴う検査または提携医療機関等の医師により新型コロナウイルスに感染したと診断された場合には、医師が感染症法に基づく届出を保健所に行うことになります。
⑥検査には、その性質上、実際には感染しているのに結果が陰性になること(偽陰性)や、感染していないのに結果が陽性になること(偽陽性)があります。
⑦検査結果は検査時点での感染状況に関するものであって、陰性であっても、感染早期のためウィルスが検知されない可能性やその後の感染の可能性があるため、感染予防に努める注意が必要です。
現在特に問題とされているのはPCR陽性でありながら医療機関に受診せず保健所に連絡されない場合や陰性結果を感染防御をしない免罪符として扱う場合があることです。身近かつ安価になったPCR検査を正しく活用いただければ幸いです。