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正しく知ろう、コロナウイルスの検査

[2020.07.19]

※ 8月23日 追記:当院では自費診療による新型コロナウイルスの「PCR検査」「抗原検査」は行っておりません。発熱などの感染症状があり、検査の必要性がある場合は保険診療としてPCR検査を福岡市「地域外来・検査センター」に紹介状を作成し依頼しております。

 

緊急事態宣言が福岡で解除されて2か月が経過しました。経済活動を継続しながら感染拡大を抑制することはやはり難しく、感染者数自体は緊急事態宣言前と同じレベルとなっております。3月・4月との単純な比較は難しいですが、その中で気になる出来事がありました。集団感染が発生した東京都新宿区の劇場では、体調不良を訴えた出演者が抗体検査で「陰性だった」ことなどを理由に出演を継続し、その後陽性が判明したとのことです。すでに繰り返しテレビなどで報道されているコロナウイルスの検査ですが、最新の知見を交えて触れたいと思います。

3種類のコロナウイルス検査の違い

  1. PCR検査
  2. 抗原検査
  3. 抗体検査

「PCR検査」と「抗原検査」は現在新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。鼻やのどの奥、唾液などから検体を採取し、ウイルスなどの有無を調べます。

一方、「抗体検査」は過去に感染していたかどうかを調べる検査です。血液中にある抗体を調べ、新型コロナウイルスに感染したことがあるか判別します。

PCR検査と抗原検査

ともに現時点の現在の感染有無を判断するための検査ですが一言でいえば

・PCR検査:現在の新型コロナウイルス感染症における確定診断検査、ただし検査時期や検体の採取法の限界もありその感度(病気がある群での検査の陽性率)は70%ほどとされています。

・抗原検査:「簡易型のPCR検査」、簡易キットならば特別な機器は必要とせず、短時間で判別が可能。ただし精度はPCR検査を下回り、陰性であっても感染が否定できない場合はPCR検査を追加する必要があります。

検査種類 抗原検査 PCR検査
・調べるもの ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) ウイルスを特徴づける遺伝子配列
・精度 検出には、一定以上のウイルス量が必要 抗原検査より少ない量のウイルスを検出できる
・検査実施場所 検体採取場所で実施 検体を検査機関に搬送して実施
・判定時間 約30分  数時間+検査機関への搬送時間

なお両検査とも今までは主に鼻咽頭ぬぐい液(鼻に綿棒を挿入する方法)が主体でしたが、その後の研究により唾液検体でも同等かそれ以上のウイルス量を採取できることが判明しつつあります。これにより今後は完全防護の体制が必要だったPCR、抗原検査がより身近な医療機関で可能になる可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抗体検査

あくまで過去の感染を知るための検査ですので、発熱や咳などの症状があるとき行う検査ではありません。

現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが研究用試薬として市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要です。WHOは、抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨されず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。

以上を踏まえたうえで当院では以下のような方に検査をお勧めします。

・この数か月の間に、微熱のような症状がでた。いまは新型コロナウィルス感染症の症状はないけれど心配だ

・過去に味覚障害があった。熱はなかったけれど、あれは新型コロナウィルス感染症だったかどうか、心配だ

・ちょっとまえに、体調が悪かった。熱はないけれど、新型コロナウィルス感染症が心配だ

当院の検査は、ロシュ・ダイアグノスティックス社の研究用試薬を使用しており、感度 100%、特異度99.8%と非常に正確な診断率を示しているため時間(約1週間)がかかります。正確性を求めるため、この試薬を採用しました。料金は、税込み5500円です。保険適応外の検査になります。保険診療は使えません。自費診療になります。

 
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